語彙編 (4)

 


ある朝。子犬のファイドーが目覚めると、おかあさん犬の姿が見えません。近くの空き地にも、おかあさん犬がよく通 っていた「牧池犬猫病院」にもいません。犬小屋に帰ってよくよく見ると、おかあさん犬の首輪が落ちています。

「まま。まま。どこにいるのー。まま。まま。一目会いたいよ、ぼく」

ファイドーは旅にでました。おかあさんを探しにでかけたのです。

だけど、子犬の一人旅は大変です。

根性が原では、不良のカマキリにすてっかーを売りつけられました。

牛丼特森では、 ゲンゴロウ親分にあやうくきゃっちばーに連れて行かれそうになりました。そんなときファイドーは夜空を見上げてつぶやくのです。

「まま、僕負けないよ。男の子だもん。きゃっちばーにわ行きたかったけど」


 

おとぎ話は好きですか。40を越えて夢を失ってしまった私は、まったく興味がありません。そんなものを読むより昼寝でもしていた方がましです。みなさんはどうでしょう。

「単語を覚えよう」と思い立つと、決まっておとぎ話(あるいはそれに類した素材)を読み出す人がいます。もちろん最初はいいんですよ。本によっては単語解説もついていて便利です。ですがいつまでもおとぎ話ばかり、次から次へと読み続けてはなりません。

大人の成熟した知性は、幼稚さに耐えることができないからです。経済のフォーフロントで活躍する大人は「みなし子ファイドー」に耐えることができないからです。英語に飽きてしまうことにもなりかねません。

ベタ降りすんなよ。

最先端で勝負すること。自分の立っている場所から降りないことです。車が好きなら BBC Motor Sports, Car, What Car, Car & Driver、 経済なら The Economist, The Wall Street Journal、みなさんに似合ったものは何でも転がっていますよ 。一刻も早く、そこに行くことです。だいじょうぶ。単語さえわかれば大体の内容はわかりますよ。「そこ」がみなさんの「主戦場」なんだから。そして「そこ」で拾い上げた単語こそが、みなさんにとって最重要なのです。ネイティブと互角の会話ができる宝の山なのです。

プールに入るときのことを思い出しましょう。足から少しずつ入ると寒さ倍増。いつまでもプールサイドです。だけどドボーンと入ったらキツいのはホンの一瞬。すぐに泳ぎ出すことができるでしょう。英語だって同じ。

だいじょうぶだよ、がんばって。

 


さて、「英語学習与太話」、本当はこのあとも原稿があるのですが、ここで一応の了とします。単語習得法など、もう少し考えてみたいので。ごめんねー。