Politeness -丁寧な印象を与えるテクニック- (2)
■先週までのまとめ
1.この講座ではビジネス英語の主たる3分野(Telephone English, Presentation, Negotiation) のうち、Negotiation を中心に解説する。 高度なテクニックを身につけるためには「ネイティブの感覚による英文法」が必要。
2.まずは「丁寧な印象を与えるテクニック」
3.丁寧さの起源は「本来言いたいことから離れる」こと。
■さまざまな局面
これから数週間は、丁寧表現がその真価を発揮する典型的なビジネスシーンに的を絞って解説していきます。
これからさまざまなビジネスシーンが出てきます。ただ漫然と読み流してはなりません。外国語をマスターするためにはイメージトレーニングが必要なのです。その場に自分がいると強く想像(VISUALIZE)してください。そして「自分ならどのように言うだろう」とよく考えたあと、ネイティブの文やそのあとの解説に進んでください。「ああ、こう言えばいいのか。これは使える」...といったひっかかりが大切なのです。その「ひっかかり」さえあれば丸暗記に精を出さなくても、ネイティブの表現力はじきにみなさんのものになるでしょう。
■SCENE 1. INTERRUPTING (人の話をさえぎる)
ひとの話をさえぎる、これは相手への心理的負荷の高い行為です。楽しく歓談している時ですら自分の話をさえぎられてよろこぶ人はいません。ましてやビジネスの話題です。不快感を与えずじょうずにひとの話をさえぎるのはかなりの難題といえるでしょう。ここに「丁寧表現」の活躍する場があるのです。
◆SITUATION
A は 組織のdownsizing を提案しようとしています。ようするに人減らしですね。 これに絶対反対のあなた(B)は、A の話を急いでさえぎる必要がでてきました。
(i) 相手にケンカを売ってください
あなたは心底ムカムカしています。さあ相手にその鬱憤をぶつけてみてください。一生口をきかなくなってもいいんです。殴られたっていいんです。さあいきましょう、思いっきり!(自分でどう言うか考えてみましょう)
A. I think downsizing is the only option, and I...
(組織のスリム化しかとるべき道はないと思うんだが...)
B. What the hell / the fuck are you talking about? It's OK for you, your job's safe, isn't it?(てめぇ、なにいってやがんだ。おめぇはいいよ、自分だけは安泰ってわけだ)
A. Don't be so fucking stupid. Do you think I actually like having to do this?
(ふざけたことぬかしてんじゃねーぞ。俺がこんなことやりたいとでも思ってんのか)
<解説> この場合は「丁寧」とかそうしたレベルではありません。the hell/ fuck が感情の outburst (爆発)を示しています。もちろん business の現場でこのようなことを言ってはなりません。最後の Aの受け答えをみてください。相手も死ぬほど怒ってるんですよ。ま、こーゆーことを言ってちゃ出世はできませんね。でもね人間、いつでも「にこにこ丁寧君」でいられるとは限らないじゃないですか。
(ii) 「丁寧にしよう」なんて思わずにさえぎってください
相手はあなたと同じレベルの人です。丁寧にしようなんて思わなくていいんです。そのままさえぎってみてください。 (自分でどう言うか考えてみましょう)
A. I think downsizing is the only option, and I...
B. Hang on a minute/ Just a minute. What about all the people who will lose their jobs? Have you given a thought to them?
(ちょっと待ってよ。職を失う人だっているんだぜ。その人たちのこと考えた?)
A.Of course I have. What kind of person do you think I am? But I can't see any other solution.
(もちろんだよ。人をどういう人間だと思っているんだい。だけど他に解決が見えないんだよ)
<解説>
Hang on a minute/ Just a minute. は相手の発言をさえぎるときの決まり文句。丁寧な感じはまったくともないません。フランクな会話で出てきます。ほら、相手も同じようなフランクさで言い返してますね。
さて、今週はここまで。この状況で「丁寧に」「相手を怒らせないように」はどのように実現できるのでしょうか。もちろんキーとなるテクニックは「本来言いたいことから離れる」です。お楽しみに。