Car_File 4. IQ 2割増アウディA4


ドイツ3大高級車メーカーの一角アウディ。A3・A4・A6・A8と順に大きくなる。

A4車は身に纏う記号である。洋服やハンドバックと同じだ。それが車の楽しいところでもあり厄介なところでもある。車で「その人」が象徴されてしまうのである。

「清貧」を装いたい人はヴェルサーチの服は買わない。「真面 目で地味」を旨としているのにピンクハウスの服を着たら大失敗だ。それとまったく同じ事が車選びでも起こる。車はどんなに安くても諸経費を含めれば20万弱にはなる。考えて選んでるんだろうな、それが運転手を象徴すると考えていい強力な証拠となる。「車なんて走ればいいんだよ」そんなことを言ってもダメだ。車に興味がなくてカローラに乗っていても「車に興味がないヒト」というレッテルが勝手に貼られてしまうのだ。まったく余計なお世話なのだがそれでも貼られる。「いーか。俺と車は無関係なんだからな」と言っても貼られてしまう。貼られまくる。それだけに自動車会社にとって自社製品のイメージコントロールは死活問題だ。

ドイツの車会社アウディの棲息環境は厳しい。本国でのライバルはメルセデスと BMW。どちらも完成度が高く評判も上々。筋金入りだ。この過酷な環境の中でアウディが順調に売り上げを伸ばしている秘密は、そのイメージコントロールの妙にある。

アウディにあって他にないもの。アウディは実にいいところに目を付けた。

メルセデスはアクが強い。どーんと怖そうな顔で周囲を睥睨する。威圧し尻込みさせる。良く言えばお金持ち。悪く言えば成金、オラオラ系。一方BMWは肉体派。スポーツ指向。運転大好き。アウディという記号はそのいずれとも異なる。

オラオラ系にも筋肉系にも欠けているもの。それは「品性・知性」である。

アウディのラインアップにどぎつい車はない。どれもこれも目立たない地味な車だ。しかしよく見ると実に緻密なデザインがなされており、さりげない高品質感が漂う。「さりげない」、そこが重要だ。「知性・品性」は「抑制」と同義であり「自己主張」の対極にあるからである。長年車を走らせているが、高速道路で弾丸のように走るアウディを見たことがない。それは BMW の得意分野だ。スモークを貼ったアウディから怖そうな親分さんが出てくるのを見たことがない。それはメルセデスの得意分野、歌舞伎町や六本木を夜散歩すればすぐわかる。

アウディはずっと離れたところにいる。IQ二割増、それがアウディだ。

 

A4はしばらく我が家の車庫にいたが、友人の心ない一言で売却が決定した。

「大西らしくないよ」

                                               

 

...悪かったな。