Intermission 1   純白オラオラ3兄弟


先日東名高速道路を走っていた。明け方なので道はガラガラ。すると...

 

 

bros明け方の道路は素敵だ。すでに300キロ近く走ってはいるが、明けかかった空の微妙なグラデーションが無聊を慰めてくれる。アクビついでに大きく深呼吸しようとした、その時である。
突然目を射るパッシング(上向きライトのことですね)。ビカーーーーッと数秒照射される。ルームミラーに白のベンツSクラスが大写 しになる。ナンバーが見えないからホンの 1メートルぐらいのところまで近づいているはずだ。「下品な奴だなあ」と思いながら、追い越し車線にいた私は左ウインカーを出して車線変更の準備をした(トラックの列を抜かしていたのです)。トラックの車列を追い抜いたあと「さて左に避けようか」。すると。

私が車線変更するのを待ちきれなかったのだろう、左に寄ろうとする私のさらに左を「ぎぎゅーん」。

これは危ない。

呆気にとられている私の左をさらに。

「ぎぎゅーん」「ぎぎゅーん」。

ベンツS320。セルシオ。ジャガーSタイプ。すべて純白。純白オラオラ3兄弟だ。乗ってるのはぜんぶおっさん。商工会のゴルフコンペか何かだろう。急いでいるのはわかる。私も大人だ。高速道路制限速度100K を1キロたりともオーバーしてはいかんとは言わない。だが、急ぐなら真っ当な急ぎ方があるはずだ。

「...いぢめちゃおうかな」

法律遵守の安全ドライバーを怒らせたらどれだけターミネーターなのか、教えてあげなくてはならない。幸いここからは大井松田の下りワインディング。へへ、根性みせてもらおーか。諸君が踏みにじった道端の小石が実は巨大な犬の糞だったことを思い知らせて... ... ほとんど何言ってんだかわからない。寝不足というのは実に恐ろしい。「さて、フル加速」。

 

...と思ったら気がついた。今乗ってるのは「日産マーチ」だったんだった。「これでわいぢめられてしまう」。

「ち」。悔し紛れにクラクションを鳴らす。

「み。みぃぃぃぃぃぃぃ」

う。かわいい。あんまりかわいいので、遠慮しながらもう一度だけ。

「みぃぃぃ...」

先ほどの怒りはどこへやら。ハンドル撫でながら「かわいーなー」。

かわいいマーチ君。ここ数ヶ月目に入れても痛くないほどかわいがっていたのでした。