Q:「最近、年配の芸人に対して「○○師匠」と呼ぶのが流行っているようです。先日あるクイズ番組で、みのもんたが「三枝師匠」って言ってました。たしかに、
ししょう【師匠】:1.学問・技術を教える人。先生。2.落語家・浪曲家・講談師などを尊敬して呼ぶ語。
ですが、何か変ではないでしょうか?違和感を感じませんか?下っ端の芸人からアナウンサー、アイドル、終いにゃ素人の人までがカメラの前では言ってます。「鶴瓶師匠」なんて私には口が裂けても言えません! 皆さんはどう思いますか?気にしてなかったですか? 大西先生は、テレビを滅多に見ない人としては、こういう現象をどう思われますか?」
A: ご指名ですので、私の思うところを。
「〜師匠」を聞いたときの居心地の悪さは、私もずっと以前から感じていました。これは電話を受けた会社員が「田口部長は」と外部に向かって言うのと同じ違和感です。つまり内部でしか流通 していない価値判断を外部に押しつける傲慢さを感じるのです。
内部では「師匠」も結構ですが、テレビでは不的確でしょう。視聴者にとっては「師匠」ではありませんから。
テレビは、特に「芸能」と呼ばれる世界は、閉じた金魚鉢です。そこを一歩出るとほとんど何の価値もない人も数多く見られますし、さらに悪いことに、そこの中での評価を世間一般 の評価と誤解していることも多い。それがテレビを胸くそ悪い物にしています。テレビの中の「師匠」は、少なくとも私には「お笑い芸人」であって、そうしたものとしてのみ価値があります。
困ったことに最近は素人まで「〜師匠」。請われてもいないのに、進んで金魚鉢の価値観の中に身を投じたがっているのですね。一昔前のヤンエグが「ソニーの盛田『さん』はね」と、会ったこともないのにスリ寄っていたのと同じことです。
とても不思議な精神構造だと思います。