魚が好きだ。海洋民族日本人であれば当然のことだ。釣りに行くのも、my 包丁でお造りを作るのも好きだが、一番好きなのは「飼うこと」だ。
最近はトンとご無沙汰だが、以前は水槽3つぐらい並べて遊んでいた。海水魚は濾過装置が大変だから、一応淡水限定。エンゼルフィッシュ、グッピー、ネオンテトラ、スマトラ、グラミーなどポピュラーなところも飼ったことがあるが、主にアマゾン系。水換えでなまずに棘で手を切られたりしながら随分飼った。一番好きだったのは「地震を知らせる」という噂もあるオスカーだ。
どちらかというとグロい魚。まぁアマゾンだからね。緑色と焦げ茶色の、迷彩 戦闘服が腐ったような色をしている。飛び出た目がどんよりしている。醜い魚だが、5cm ぐらいのを飼ってきて20cm ぐらいまで育てると情が移る。
餌換えの時に私の顔をみて寄ってくるのが可愛い。餌箱を出すと興奮してジタバタするのが可愛い。夜中に見に行っても必ず起きて泳いでいるのが可愛い(あたりまえか)。胸にこみあげるものがある。太郎と花子と銘々して何年も飼っていた。
だが太郎と花子はもういない。死んだのだ。母が水温調節装置を誤って 35度にしてしまった。いくらアマゾン出身でもそれはつらい。それ以来魚を飼うのをプッツリやめた。愛するものを失うのが怖い、という洒落た理由ではない。逆だ。
変わり果てた太郎と花子を「じー」っと見た私が考えたのは
「うーむ。この魚何とか喰えねぇかなぁ。まだ新鮮だしなぁ」
海洋日本。魚は避けて通れない。
それ以来魚は一匹として飼っていない。油断すると水槽の前に my 包丁を出してしまいそうになるからだ。それはさすがに人でなしだろー。
(もちろん太郎と花子は穴掘って冥福を祈りました。念のため)