車選び。
おっさん車を買おうと心に決めた私は、最近休みの度に車屋まわりだ。しかし選択肢は思ったよりも狭い。スポーツ系の車ばかり選んできた私には、7人乗れる平和なピクニック車はハナからダメだ(ちなみにトヨタのイプサムはヨーロッパでは「ピクニック」という名前)。妥協できるのは「山道系」の車まで。何台か乗ったが全部
「もっさり君」。
車重が重いのだ。重いということは、他の条件が同じなら、曲がるにも止まるにも不利だということだ。仕方がないので、売ってる車を手当たり次第全部乗って試してみることにした。
まずは Range Rover。やっぱり頂上からだな。車選びは。これは「4駆のロールス」と呼ばれる車。チャールズ皇太子も一台持っているはずだ。イギリスでは、とても富裕な農民が乗る車。自分の所領の牧草地をまわるときに使う車だ。たいがいどんな荒れた場所でも行ける。オックスフォード近郊で道に迷ったとき、先導してもらったことがある。A-road に出るところで運転席から太い腕がでてきて「OK」サインを作って見送ってくれた。かっこいい。素敵な金持ちおやじ。それがイメージだろうな。
車屋に行くと、親切に新車を試乗させてくれた。まぁBMWが親会社になってしまったので、ウッドの使い方が少なく何だが妙に都会的になってしまったが、乗り心地はやっぱり Range だ。「床まで踏んで良いですか」と訊いてアクセルを踏み込むと、とっても上品な加速。でも上品すぎて「僕」のフィールじゃないんだよな。
「還暦を迎えてまだ生きてたら、買いに来ます」
丁寧にお礼を言って帰ってきた。目の玉が飛び出るような値段(on the road で1千万前後)だが、心配あるまい。
多分還暦までは生きてはいないだろうから。
<以下次回>